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花れんげ

Author:花れんげ
思いついた言葉を書き連ねています。
言葉の色、形を感じて身をゆだねている時は幸福かも。

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パラレル

私が貴方に逢いたかったとき
貴方は笑いながら手を振った

貴方が私に逢いたかったとき
私は自分のベッドで眠りについていた

貴方の言葉を
私は燃やす
燃やし尽して
今日のスープを作る

永遠に受け取ることのない
貴方の両腕が
哀しく空を切るとき
私はまた一冊本を読み終わるだろう

このパラレルが
真実であれば
私は明日手紙を書く
決して届かない宛先へ向けて

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歌うたい

街路樹の下で
歌うたいが一人
消えゆく恋を歌う

誰の言葉だったか
借りてきたんだ
行き場がないまま
風に揺れていたから

それを拾うわ
そう言って誰かが立ち止まる
だからもっと歌って
もっと奏でて

その言葉を
昨日手紙に書いたのは私
あの人に逢えなかったから
裂いて川に流したはずなのに

借りてきたんだ
行き場のないまま
アスファルトを転がっていたから
手にとったとき
少し笑ったかもしれない

もっと歌って
もっと奏でて
もっと私を踊らせて

行き場のない声を
街路樹の下で
歌うたいが歌う

返す

柔らかそうなものをもらったら
柔らかいものを返す

ぬるくなったものをもらったら
冷たいものを返す

書きかけをもらったら
全部消して返す

マスクをもらったら
くっきり化粧して返す

昨日までをもらったら
そこからは繋がらない明日を返す

中途半端な涙をもらったら
思いきり笑って返そう

みず

しずむ

からだの重みで

しずむ

何もしなくても

ただ立っているだけで

しずんでいるらしい

頭の上に

水面が見えて気づいた

この世に別れを告げるとき
面白かったと言われたい
思う存分だったから
よかったねと笑われたい

つまずいた石は川に投げて
折れた傘はダンプに轢かせよう

誰も見ていないようなとぼけた笑顔を
最後にみんなに捧げたい


この世に別れを告げるとき
あいつの涙は汚いと
何も見ないで不愉快だと
苦く苦く笑われたい

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